本殿彫刻2
本殿の丸桁の龍の彫刻のつづきです。
丸木を寝かして配置しているので、そこに彫られた彫刻は、見る高さによって見え方が全く違ってきます。前回とは異なる箇所に施された龍の彫刻についてご紹介します。
屋根と同じ高さから撮った写真がこれ。
両目、両ひげが見え、口を大きく開けた様子です。
同じ個所を下から撮影すると、
左目のみが見える横顔の姿となります。目の下の口元に牙が二本ほど見えます。そして、あごひげだった部分は、口から吐いた炎に見えます。そのように解釈すると、口をあえて二つ彫っていることになります。一つの部品を二つの意匠として表現しているとも言えます。見る高さによって表情が随分と異なるだけでなく、創意工夫に感心しました。これを見ていて、ピカソのキュビズムを思い浮かべてしまいました。
丸桁は、二次元以上三次元未満(二次元寄り)、しかも見る角度が限定されます。独特の表現技法が駆使されているのでは?他にも例があるのかと調べたくなりました。